- 2024年 11月 19日
グローバル展開している企業はもちろん、国内企業でも海外のお客様をお迎えする企業や大学、地方自治体の多くの部署では、業務上海外の方の個人データを扱う機会が非常に多いのではないでしょうか?
例えば、人事部門では海外子会社の人材のタレントマネジメントや海外出向者、出張者のVISA等の管理、海外における人材採用の際の履歴書・職務経歴書(CV)の取り扱いがあります。営業部門では海外のお客様のコンタクト情報を管理する場面も多々あるでしょう。また、マーケティング部門でも、Webサイトのcookieなどのトラッキング技術に関して海外からのアクセスに適切に対応することが必須です。したがって、どの部門でもWebフォームで問い合わせ窓口を海外向けに展開している場合には対応が必要となります。
大学や企業の研究部門、工場なども海外からのお客様をお招きする場面は多々あると思います。その際に食事や宿、交通機関の手配において、アレルギーや摂取できない食べ物(ここから宗教が類推される)、身体障がいなど非常にセンシティブな個人データを意図せず扱わざるを得ない場合もあります。
そのため、個人データの取扱いに関する勉強はもはや法務・コンプライアンス部門だけでなく、従業員全体の常識として学ぶことが必要な世の中になっています。しかし、どのように勉強をすればよいのか分からなかったり、企業側としても従業員全体の知識レベルを上げたいと思っていても、どのような研修をアレンジすれば良いのか迷うことがあるかもしれません。
今回はこのようなお悩みへの解決策となる、プライバシーホワイトという資格と認定トレーニングについてご紹介します。
プライバシーホワイトとは?
プライバシーホワイトとは、「プライバシーホワイト認定データ保護実務者」のことであり、一般社団法人日本DPO協会が認定する資格です。この資格は国際レベルのプライバシー保護の実務家育成を目標として設計されており、日本の法規制のみならずEUのGDPRや中国の個人情報保護法(PIPL)など海外の個人情報保護/プライバシー保護規制も学習の対象としており、企業・組織がグローバルにプライバシーガバナンスを実現するうえで必要となる基礎知識の習得を認定するものです。なお、資格試験はすべて日本語で実施されます。
このため、グローバル事業を展開している企業やインバウンド事業を行っている企業の方々にとって、実務的で有益な情報を吸収することができます。詳しくは、下記の協会HPサイトをご参照ください。 https://dpo.or.jp/certification/プライバシーホワイト研修と他のコンプライアンス研修との違いは?
一般的なコンプライアンス関連の研修は他にもありますが、プライバシーホワイト研修の特徴は、「国内外の個人情報/プライバシー保護規制対応について、国内外の最新動向を踏まえた上で、網羅的・体系的にプライバシー保護に関する実務を学習できる」ことです。そのため、「とにかく個人情報/プライバシー保護規制領域に関する知見を高めたい」と考えている方には満足できる内容となっています。
一般的なコンプライアンス研修は全従業員を対象とした、いわゆる「広く浅い内容」で構成される傾向があり、一方でプライバシーホワイト研修は個人情報/プライバシー保護規制領域の実務に特化した内容となるため、国内外の関連業務の担当者・幹部の方(例:個人情報を取り扱う部署に配属となった方、プライバシーマークの個人情報保護管理者や個人情報保護監査責任者)を対象に構成されています。
プライバシーホワイトの認定トレーニングを利用しよう
プライバシーホワイトの試験合格を目指す方は、(1)教科書を利用して独学で勉強をする、(2)認定教育事業者による認定トレーニングを受講する、といった2つの選択肢があります。認定トレーニングはDPO協会提供の教科書利用による講義を受講することで、試験合格に必要な知識を短期間で効率よく把握できる内容となっており、個人情報/プライバシー保護規制について初めて学ぶ方には特に、認定トレーニングの受講がお勧めです。
また、認定トレーニングはプライバシーホワイト試験の合格だけではなく、新組織に入った異動・転職・新入社員向けの研修目的でも活用できます。
これまで個人情報/プライバシー保護規制関連業務に携わっていた方、または、個人で勉強をしていた方は教科書のみでも十分理解できるかもしれませんが、そうでない方は講師の解説も聞いて勉強をすれば、理解度が高まるでしょう。IIJが提供する認定トレーニングでは、IIJのDPO(データ保護オフィサー)アウトソーシングサービスを提供し、海外当局との折衝実務やインシデント対応等、経験豊富な現役DPOなどが講師としてレクチャーするため、具体的な事例を交えながら分りやすく解説してくれます。
IIJの認定トレーニングにはオンラインコースがある
IIJは、DPO協会の認定教育事業者として、2022年12月13日より、プライバシー保護人材を育成するためのDPO協会認定教育プログラム「IIJプライバシー研修」を実施してきました。そして、このプライバシー研修の実績を踏まえ、IIJでは2024年3月にオンラインコースを開始しました。オンラインコースの動画は以下の通り、全9セッションで構成されており、動画の合計時間は4時間38分となります。詳細は以下の通りです。
セッション | 時間 |
---|---|
(1)プライバシーの基礎 →サンプル動画はこちら |
52分53秒 |
(2)個人情報保護法(民間分野)の基礎(定義等、①取得・利用のルール) →サンプル動画はこちら | 27分49秒 |
(3)個人情報保護法(民間分野)の基礎(②個人データの保管・管理) | 19分43秒 |
(4)個人情報保護法(民間分野)の基礎(③第三者提供) | 22分58秒 |
(5)個人情報保護法(民間分野)の基礎(④開示等、匿名・仮名等) | 33分09秒 |
(6)コンプライアンス対応の基礎、プライバシーマーク | 25分05秒 |
(7)プライバシーマーク、マイナンバー法 | 22分06秒 |
(8)EUの個人情報保護法(GDPR:General Data Protection Regulation)の基礎 | 50分06秒 |
(9)中国の個人情報保護法(PIPL:Personal Information Protection Law)の基礎 | 24分17秒 |
各動画は教科書の項目順で体系的に構成されており、初めての方にも使いやすい内容となっています。また、教科書の内容は重要性の高い順に、ピンク→黄色→青→白の順番で色分けされており、重要項目が一目で分かるように整理されています。各動画では、重要性の高いピンク色の箇所を中心に濃淡を付けたメリハリある解説をしており、俯瞰的に全体像を理解しながら、重要論点とその関連項目といった細部についても論理的に学習できる内容となっています。
オンラインコースの注意点は、教科書のダウンロード可能期間はアカウント作成後1ヵ月間、動画の視聴期間は2ヵ月間になることです。期間内はダウンロードや動画視聴に制限回数はありませんが、期限切れになると利用不可になるため、期間内に全セッションの受講が完了するように計画的にスケジュールを組む必要があります。オンラインコースはWebの申込みページから簡単に申込み可能となっており、(1)クレジットカード支払いか、(2)請求書支払いどちらかが選択できるようになっています。
オンラインコース利用のメリット
受講者側のメリット
・時間や地理的制限を解消
オンラインでの認定トレーニング受講により、受講者はご自身の都合の良い時間帯や場所で勉強することができます。例えば通勤時間の電車の中、ちょっとしたスキマ時間など、勉強する場所は自由です。また、遠方にいらっしゃる方でも、オンライン実施のため、仮に海外にお住まいであっても好きなタイミングで受講することができます。・何度も繰り返し見ることができる
オンラインコースは期間内に何度でも繰り返し動画を見ることができます。このため、講師の話した内容を復習も兼ねて何度でも繰り返し聞き返すことができるので、納得するまで動画の解説を聞くことで、しっかりと学習することができます。・好きなペースで学習することができる
勉強のペースは短い期間で集中的に学びたい方もいれば、時間をかけて少しずつ学びたい方もいるでしょう。オンラインコースであれば、動画をいつ一時中断しても問題なく、後日続きを見ることも可能です。自分の好きなペースで学習することで、無理なく継続的に勉強することができます。
企業側のメリット
・あまり乗り気でない対象者の受講ハードルを下げることができる
社内の多くの方に個人情報/プライバシー保護規制の研修を受講してもらいたいと思っても、「忙しくてまとまった時間を作れない」「開催場所が遠くて受けられない」等の理由で受講者が増えない・集めることができないケースもあるかもしれません。しかし、認定トレーニングのオンラインコースであれば、このような課題は解消することができます。オンラインならではの柔軟性と自由度により、社内教育の促進の一助となるでしょう。
また、IIJでは企業における対面でのプライバシー研修を実施することも可能です。
詳細はedu-bizris-contact@edu.bizrisk.iij.jp、またはこちらのお問合せフォームまでご連絡ください。
オンラインコースを活用して個人情報/プライバシー保護規制の勉強を始めよう
法務・コンプライアンス部署のように日常的に法規制を取り扱う方以外でも、各事業部の担当者が個人情報/プライバシー保護規制について理解しておくことは、プライバシーリスクへの感度と緊張感を全社的に向上させ、もし不幸にもインシデント等の事象が発生した場合でも、迅速・適切な有事対応を可能にするための土台となります。また、プライバシーホワイトの認定トレーニングは試験合格が目的でない方にとっても、個人情報/プライバシー保護規制の知識を深めておくことは、自身のスキルアップやキャリアアップにおいてプラスになります。
IIJの認定トレーニングならオンラインコースであれば、お手軽に、効率よく、自由に学習できる内容となっているため、貴社のリスク管理意識やコンプライアンス意識を向上させる基礎情報として、ぜひ組織的な利用をご検討くださいませ。
https://edu.bizrisk.iij.jp/seminar/detail?id=32