- 2024年 10月 3日
改正電気通信事業法(以下、「改正法」)のクッキー(Cookie)等規制への対応が必要なのかどうか、心配なクッキーこと久喜ヨシキ君。先輩の責田さんに紹介してもらったIIJのビズりすに、自社製品の販売、トレンド情報配信、SNS公式アカウントの運用などについて、適用対象になるのかどうかを質問します。結局、クッキーの会社のWebサイト・アプリにはクッキー等規制が適用されると判明し、クッキーは一路、IIJへ―――。後に残った責田さん、クッキー等規制についてさらにビズりすに質問しようとして―――。
チャットボットを導入したWebサイト・アプリに、クッキー等規制は適用されるの?
責田:……お鼻が花も恥じらう愛らしさだし、それに、お耳がツノっぽいのツボで、もうちょっと… チョット…( ゚д゚)ハッ!…じゃなくて、チャ…チャット!そう!チャットボット!!!
ビズりす:責田さんの会社のWebサイト・アプリでは、チャットボットを導入しているんですか?
責田:そうなの!うちの会社のコーポレートサイトでは、自社サービス、採用、IRといった情報を紹介しているんだけど―これだけでは、さっきのビズりす君の話だと、「電気通信事業」に該当しないから、クッキー等規制の適用対象にならないと思うんだけど…。
ビズりす:はい、そのとおりです♪
責田:でも、このサイトでは、問合せ対応の目的でチャットボットを導入しているの。この場合でも、クッキー等規制の適用対象にならないのかしら―?
ビズりす:はい♪それでは――
クッキー等規制の適用対象
以下A~Dの4類型のいずれかに該当するオンラインサービスをブラウザ又はアプリを通じて提供する、電気通信事業(他人の需要に応ずるためにオンラインサービス等を提供する事業)を営む事業者
- 特定の利用者間のメッセージを媒介するサービス(例:メッセージ機能、ウェブ会議)
- 不特定多数の利用者を結び付ける「場」を提供するサービス(例:SNS、電子掲示板、動画共有、ストリーミング、オンラインショッピングモール)
- 検索サービス
- 情報提供サービス(例:ニュース、気象情報、動画、オンライン地図等)
(詳細は前回のブログをご覧ください♪)
責田:これを見ると、チャットボットは「A. 特定の利用者間のメッセージを媒介するサービス」に該当しそう…そうすると、うちの会社も、クッキーの会社と同じく、クッキー等規制の適用対象になるってこと…?!?!
ビズりす:責田さん、大丈夫です♪
責田:大丈夫……なの?!
ビズりす:Aは、以下の図のように、サービスを提供している事業者が当該事業者以外の者(他人)から依頼を受けて、他人間のメッセージを媒介することをいうんです。つまり、チャットボットのような、当該事業者と他人との間でメッセージをやり取りする場合はAに該当しないんです。
責田:つまり、問合せ対応の目的でチャットボットを導入しているだけでは、クッキー等規制の適用対象にならないのね!!!
ビズりす:そのとおりです♪
Webサイト・アプリで広告収益の取得や顧客獲得、この場合はクッキー等規制の適用対象となるの?
責田:――あっ、そうだ…うちの会社のWebサイト、広告収入を得ているんだけど…こういう場合も大丈夫かしら…?
ビズりす:Webサイト・アプリで広告収入や顧客獲得への貢献がある―という事実は、クッキー等規制の適用対象の要件(A~Dの4類型のいずれかに該当するオンラインサービスをブラウザ又はアプリを通じて提供する、電気通信事業を営む事業者)のうち、「営む」に関係します。
責田:「営む」…Webサイトの広告収入は、うちの会社のサービスに対する料金じゃないから、「営む」には入らないわよね…?
ビズりす:それが違うんです…。では、「営む」の意味を確認してみましょう↓↓↓
- 「営む」=利益を得ようとすること(実際に利益が出ているか否かは問わない)
- サービス提供の対価として料金を徴収することのほか、広告収益を得る場合や当該サービスの提供が顧客獲得に貢献している場合も、「営む」に該当
責田:そうすると、うちの会社のWebサイトは広告収入を得ているから、「営む」に該当するわね!…ということは…
ビズりす:責田さん、落ち着いてください!この「営む」の要件に該当したとしても、クッキー等規制が適用されるための他の要件の全てに該当しなければ、クッキー等規制は適用されませんよ♪
責田:あ、そうか…!
ビズりす:先ほど、責田さんの会社のWebサイトは「電気通信事業」に該当しない―チャットボットも4類型のオンラインサービスに該当しないというお話をしました♪つまり、責田さんの会社のWebサイトは、クッキー等規制の適用対象となるための要件を全部満たしていないんです。
責田:―そうすると、うちの会社のWebサイトに、クッキー等規制は適用されないのね!
ビズりす:今お伺いした範囲ではそうなります。ただ、自社製品の販売や自社サービスの紹介をメインとするWebサイト・アプリでも、その中で提供されているサービス次第では、クッキー等規制の適用対象となる可能性があるので、必要な場合は専門家に相談した方がよいと思いますよ♪
クッキー等規制対応として何をするべき?対応のポイントとは?
責田:そうね!うちも一度IIJに相談して…。
久喜:ビズりすさぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーん!!!!!!!!!!!
責田:あれ、クッキー、戻ってきた…?
久喜:道行く人々の来し方行く末に思いを馳せ、我が身がどこにあるかわからず――そんなことより、ビズりすさん!
責田:コラ、デュクシ!!!――もぅ、道に迷ったくせにエラそうに…
ビズりす:クッキーさん、お帰りなさい( *´艸`)…さて、クッキー等規制への対応方法ですね!
久喜:は、はいっ…!
ビズりす:クッキー等規制の対象となる事業者が、利用者情報の外部送信を行う場合、Webサイトやアプリの利用者に対し、事前に、外部送信について「確認の機会」を与える義務を負います。
久喜:リヨーシャニタイシジゼンニガイブソーシンニツイテカクニンノキカイジャリスイギョノスイギョウマツウンライマツ…
ビズりす:フウライマツ♪―は置いておいて……この「確認の機会」は、①情報提供、②事前同意取得、③オプトアウト機会提供のいずれかの方法により実施する必要があります。
責田:①~③のうち、どれか一つを採用すれば大丈夫なのよね?
ビズりす:そのとおりです!もちろん、複数の方法を採用することも問題ありません。
責田:なるほど……ところで、ビズりす君、どんなことを利用者に確認してもらえばいいの?
ビズりす:①~③のどの方法を採用した場合でも、利用者に確認してもらう必要がある共通事項は、■送信される利用者情報の内容、■送信先の氏名・名称、■利用目的に関する情報です♪(※)
久喜:ありがとうございます、ビズりすさん!僕がやるべきことがわかりました!!!やるべきことが……やるべきこと…???
責田:こっちの路線でキタ―――――(゚∀゚)!!!
ビズりす:クッキーさん、大丈夫です♪これまでのポイントは、こちらの改正電気通信事業法特設ページや質問事例でまとめております!
久喜:おお!!!――ポイントがまとまっていてわかりやすい!!!
ビズりす:クッキー等規制対応は、改正法施行日の2023年6月16日までに完了する必要がありますので、ご注意くださいね♪
責田:こうしちゃいられない!うちの会社のWebサイトがクッキー等規制の適用対象になるか、確認しなきゃ!!!時間がないわ――――!!!
久喜:ちの会社はクッキー等規制対応を実施しなきゃダメだぁ―――!!!時間がなぁぁぁ――――い!!!
責田・久喜:……そうだ!!!ここはもう、IIJに相談しよう!!!!!!
ビズりす:…お二人とも、行ってしまいました…ランチ予約していたんですが…(;´Д`)ンモゥゥゥゥ☆☆☆でも、今度こそ、道に迷わないでくださいね( *´艸`)ウフフ
(執筆担当:ビズりす)
(※)①情報提供の方法による場合は、■送信される利用者情報の内容、■送信先の氏名・名称、■利用目的の情報提供が義務となっているが、②同意取得の場合は努力義務、③オプトアウト機会の提供の場合は、上記■に加え、オプトアウト措置を講じている旨、オプトアウトの申込みの受付方法等について情報提供をする義務がある。
»【BizRis Q&Aまとめ読み】教えてビズりす!改正電気通信事業法のクッキー(Cookie)等規制、自社Webサイト・アプリに適用されるの?!(前編)事例をまとめてご紹介♪