【更新】【ダークパターン】「満足度No.1」広告は個人情報保護法に違反する?


質問

当社は、当社がECサイトで販売する商品に関する調査を外部事業者に委託し、その調査結果を根拠として、当社商品の顧客満足度等がNo.1であることを広告に表示する予定です。このような広告は、個人情報保護法に違反しますか?

回答

ご質問の広告手法について、個人情報保護法の観点から、以下の懸念点があります。

まず、個人情報保護法は、「偽りその他不正の手段」によって個人情報を取得することを禁止しています(法20条1項)。

ここで、もし調査対象者を商品やサービス(以下「商品等」)を実際に購入又は利用した者に限定せずに当該商品等の印象を問う調査(以下「イメージ調査」)を行った場合、当該調査結果を根拠に、ECサイトで販売する商品の広告に「満足度 No.1」等と表示すること(以下「No.1広告」)(※1)は、通信販売をする場合の誇大広告を禁止する特定商取引法(以下「特商法」)12条に違反します(※2)。このため、イメージ調査を根拠としたNo.1広告に基づいて個人情報を取得する場合、「偽りその他不正の手段」による個人情報の取得として、個人情報保護法に違反するおそれがあります。

したがって、特商法のみならず、個人情報保護法の観点からも、貴社において、安易に「満足度No.1」等の広告を行うことを控え、仮にこのような広告を利用するとしても、公正かつ適切な調査を実施する外部事業者を選定する、イメージ調査を行わない、貴社自らも調査結果について慎重な評価を実施する等の対応が必要と考えます。

 ※1:No.1広告は、ダークパターン(Webサイト・アプリにおいて、利用者が意図しない、又は、その利益に反する一方で、Webサイト・アプリ運営者の利益となるような選択肢を選ばせるように利用者に影響を与える手法)の一種と考えられます。ダークパターンに関する詳細は、ナレッジベース「欧米でのダークパターン規制の動向と日本企業に求められる対応」をご覧ください。

※2:実際に消費者庁により業務停止命令が下された事案もあります。

【2024年9月27日更新】本質問事例に関連して、消費者庁は、2024年9月26日、No.1表示に関する実態調査報告書を公表した(https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/survey/assets/representation_cms216_240926_02.pdf)。消費者庁は、本報告書の中で、今後、不当なNo.1表示等について迅速な指導、厳正な対処を行う姿勢を明示している。

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