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【論説】情報漏洩時の有事対応シリーズ⑤:内部不正対応時のヒアリングとインタビュー(理論編)


情報漏洩の際、初期対応での発見事項を精査の上、内部不正の可能性が高い場合、不正調査(対物・対人調査)を実施する必要があります。その際重要なのは、被疑者や重要参考人とのインタビューになり、やり直しがきかないため、成否のカギは「周到な事前準備」になります。今回は過去の成功体験と失敗体験を踏まえて、インタビュー実務の重要ポイントを①理論編と②実務編の2回に分けて説明します。

ヒアリングとインタビュー実施時のプロの流儀

不正対応時におけるヒアリングとインタビューでは、実施タイミング、目的と手法等に大きな違いがあり、詳細は以下の比較表をご参照下さい。なお、ここで紹介する「ヒアリング」の手法は、不正調査だけでなく、(内部)監査等の様々な社内調査の局面で有効なスキルになります。

a. 基本的枠組み

 

ヒアリング

インタビュー

実施
タイミング

初期対応時

有事対応モードでの不正調査(対物・対人調査)時

被面談者

基本的に被疑者以外

基本的に被疑者と重要参考人

目的

正確な①現状把握と②情報収集目的

疑惑検証(摘発)目的

ゴール

できるだけ多くの関連情報の収集

  • 疑惑関与を立証(事実認定)する物的証拠の収集
  • その手掛かりとなる重要情報の収集

主導権

聞き役に徹する必要があり主導権は被面談者

主導権は面談者(例:討論番組の司会者)

アプローチ

  • 基本的に「下から目線」の性善説
  • 被面談者が自発的に発言しやすい雰囲気づくり

基本的に性悪説

 

b. 面談前(事前準備)

 

ヒアリング

インタビュー

質問の準備

必ずしも戦略的で詳細な質問構成は必要ないが、テーマや目的、必須の質問項目等を体系的・合理的に整理

  • どういうシナリオで、どの物的証拠を引用し(隠し)ながら、重要証言を引き出すかインタビュー戦略(インタビュー・アウトライン)を作成
  • 事実の歪曲・隠蔽のリスクを下げるため、可能な限りの周到な事前準備を実施(参考:インタビュー当日、資料が沢山入っているカバンを持参して、相当調べて資料を用意している、という印象を相手に与えるのもテクニックの一つ)

個人面談
or
集団面談

個人面談が望ましいが、状況によっては集団面談も可

個人面談(集団面談はデメリットが大きい)

面談アレンジの留意点

面談の順番、通知方法、面談日時、場所(例:社内 or 社外)、面談部屋、面談者のメンバー構成、面談者の服装等

  • 左に同じ
  • 被面談者が不正行為者・協力者である場合、インタビュー通知から実施までの間、実施後、証拠は破棄・隠蔽・偽装工作の実施、口裏合わせ、そのためのヒントを与えてしまうことを想定
  • 被面談者(関与者)を疑惑毎に①首謀者、②共謀者、③重要参考人分類し、③⇒①の順、または部下⇒上司(管理責任者)の順でインタビューをアレンジ

 

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